女性の圧倒的非自由、「イラン獄中」の過酷な現実 『白い拷問』など書評3点

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ブックレビュー『今週の3冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『白い拷問 自由のために闘うイラン女性の記録』

・『スカウト目線の現代サッカー事情 イングランドで見た「ダイヤの原石」の探し方』

・『日本ワイン産業紀行』

『白い拷問 自由のために闘うイラン女性の記録』ナルゲス・モハンマディ 著
『白い拷問 自由のために闘うイラン女性の記録』ナルゲス・モハンマディ 著/星 薫子 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・医療社会学者 渡部沙織

1972年生まれのイラン人女性で人権活動家でもある著者ナルゲス・モハンマディは、現在までに13回逮捕され、5回の有罪判決を受けている。彼女が負う量刑は合計で禁錮31年と鞭(むち)打ち154回に及ぶ。

直近2回の逮捕理由は、収監中に本書が出版されたことと、2023年にノーベル平和賞を受賞したことである。これらの事実だけでも、イランで女性解放と権利擁護の社会運動を行うことの厳しさが十分すぎるほどに伝わる。

想像を絶する獄中の日々 女性の圧倒的な非自由を生き抜く

描写は生々しく鋭利だが、今日の世界に確かに存在している女性たちの現実である。重たい気持ちを差し置いて、耳を傾け目を向けねばならないと思わされる一冊だ。

本書は著者が獄中にいる間、同じく刑務所に収容されている女性たちに行ったインタビューで構成される。13人の女性たちが逮捕された理由は、おおよそ「前近代的」と表現すべきものだろう。

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