ラグビー南ア初の黒人主将、その波瀾万丈の人生 『RISE ラグビー南ア初の黒人主将 シヤ・コリシ自伝』書評

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『RISE ラグビー南ア初の黒人主将 シヤ・コリシ自伝』シヤ・コリシ 著
RISE ラグビー南ア初の黒人主将 シヤ・コリシ自伝(シヤ・コリシ 著、岩崎晋也 訳/東洋館出版社/2090円/304ページ)
[著者プロフィル]Siya Kolisi/1991年、南アフリカのスラム街で生まれる。2018年、ラグビー同国代表「スプリングボクス」で初の黒人主将となり、19年ワールドカップ(W杯)日本大会で優勝に導く。23年大会でも主将。妻とともに財団を立ち上げ、社会貢献にも熱心。

南アフリカの悪名高い人種隔離政策であるアパルトヘイトの終焉を経て、初の黒人大統領となったネルソン・マンデラは1994年の就任演説で、多様な民族や文化が融和した国家を「レインボーネーション(虹色の国)」と言い表した。宗教も言葉も異なる多民族国家を束ねるものの1つが、ラグビー代表チーム「スプリングボクス」だ。

アパルトヘイト「最後の日」である91年6月16日、南アのスラム街に生を受けたのが、128年の歴史を持つ代表チームで初の黒人主将となるシヤ・コリシだ。2019年のワールドカップ(W杯)日本大会ではチームを優勝に導き、フランスで開催中の今大会でも主将を務める。

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