現代を映し出す「食」の風景
毎日、どんな食事をとっているのか。1週間にわたって「主婦」に日記と写真で記録してもらい、さらにアンケートや面接調査を行う。写真は編集を避けるため、未現像の「写ルンです」限定という念の入れよう。そんな綿密な調査を、著者は240もの世帯に対して25年にわたり続けてきた。さらに驚異的なことに、すでに調査した家庭に10年後、20年後にも調査をして、経年変化を追おうとする。
だが、10年を経て同じ家庭に連絡することは容易ではなかったという。転居だけが理由ではない。固定電話がつながらなくなったからだ。調査を受けてもらえても、「家族に食べたものを聞くのはもう無理」などと条件を付けられることもしばしば。本書は、仮に同居していても、「個」の自由を優先しバラバラになる、現代日本の家族の実情を痛いほど映し出す。
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