もっと早くに読みたかった、というのが率直な感想である。作家による自身の妊娠・出産の一部始終の記録。ノンフィクションやドキュメンタリーと呼ぶよりは、「これぞエンターテインメント」といいたい読後感だ。
具体的にいえば、周囲に妊娠・出産の当事者が多かった20代から30代の間に本書を読んでいたら、どれほど彼女たちを見る目が変わっていたか、できることがあったのではないかと。しても始まらない後悔には違いないが、そう思わずにはいられなかった。
妊娠エンターテインメント
「子どもなんて、ぜーんぜん、欲しくない」と思っていた著者は、35歳でパートナーを得た途端、「入道雲のようにむくむくと」湧き上がってきた衝動に突き動かされ、10歳年上の夫と不妊治療に臨むことになる。
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