趣味はボードゲーム、異色のゲーム理論入門書 『ゲーム理論の〈裏口〉入門』書評

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『ゲーム理論の〈裏口〉入門 ボードゲームで学ぶ戦略的思考法』野田俊也 著
ゲーム理論の〈裏口〉入門 ボードゲームで学ぶ戦略的思考法(野田俊也 著/講談社/1980円/208ページ)
[著者プロフィル]野田俊也(のだ・しゅんや)/東京大学大学院講師。2012年東京大学経済学部卒業。19年米スタンフォード大学経済学部博士課程修了。カナダのブリティッシュコロンビア大学助教授を経て、21年から現職。研究分野はマーケットデザイン、ゲーム理論、ブロックチェーンなど。

異色の入門書だ。ボードゲームを趣味とする経済学者が実際のプレー体験を生かし、その魅力とともにゲーム理論の考え方を伝授する。

前半では、古代遺跡を探検し財宝獲得を競うカードゲーム『インカの黄金』(初版2006年)に続いて、パズル、じゃんけん、詰将棋、ポーカーなど古典的な「勝負事」を分析。ゲームの勝敗を決する構造を明快に抉(えぐ)り出す。

後半で取り上げるのは、『カルカソンヌ』(00年)、『カタンの開拓者たち』(1995年)といったボードゲームだ。これらをプレーする際に、敵のインセンティブを誘導するための作戦から、リスクの取り方まで実践的に指南する。

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