地球の歴史には過去5回の「大量絶滅」、今は6回目 『〈絶望〉の生態学』書評

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『〈絶望〉の生態学 軟弱なサルはいかにして最悪の「死神」になったか』山田俊弘 著
〈絶望〉の生態学 軟弱なサルはいかにして最悪の「死神」になったか(山田俊弘 著/講談社/2420円/288ページ)
[著者プロフィル]山田俊弘(やまだ・としひろ)/広島大学大学院統合生命科学研究科教授。博士(理学)。1969年生まれ。幼い頃からの生き物好きが高じて、研究の道へ。多様な生き物たちの生態を調べるため、熱帯林を訪れること多数。現在の研究テーマは、生物多様性、熱帯林保護。

1990年代にヒットした岩明均の伝説的な漫画作品『寄生獣』は、「地球上の誰かがふと思った『人間の数が半分になったらいくつの森が焼かれずにすむだろうか……』」というモノローグから始まる。この作品が訴えた、人類と自然の均衡というテーマは、約30年の時を経た今もなお新鮮だ。

宅地や農地の開発、動物や魚類の乱獲、温室効果ガスの排出などを通じて、人類は数々の野生動物を絶滅に追いやっている。これらの生物には、生存可能な環境の維持や作物の生産に不可欠なものも多い。つまり大量絶滅は、人類自身にも生存の危機を招くことであるはずだ。

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