セックスレス言説が持つ意味は、日本と西欧とで異なる。そう指摘する著者は、オーストリア出身の若手研究者。本書は彼女の博士論文を下敷きとする。
西欧においてセックスは、個々人とカップル間でのセクシュアルプレジャー(性的経験から得る身体的・精神的な満足や楽しみ)を含めるセクシュアルヘルス分野の研究対象とされる。一方、日本ではカップル間のセクシュアルプレジャーについて公的空間でほとんど議論されないまま、セックスレス現象だけが取り沙汰されるようになった。
セックスレスの内的要因を探る
日本家族計画協会が行った意識調査によれば、16~49歳の既婚者のセックスレス割合は2016年には47.2%に達している。その社会的要因としては、長時間労働や女性の社会進出、出産後の性行動の変化などが挙げられる。だが、こうした外的要因だけでは日本の男女のセクシュアリティーを捉えきれず、内的要因の探索が必要だという視点が本書の問題関心の核にある。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら