猥雑で生真面目、「性規範の変遷」映し出すAV研究 『日本AV全史』書評

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『日本AV全史』安田理央 著
日本AV全史(安田理央 著/ケンエレブックス/2970円/440ページ)
[著者プロフィル]安田理央(やすだ・りお)/ライター、アダルトメディア研究家。1967年生まれ。美学校考現学研究室卒業。主にアダルト産業関連をテーマに執筆。AV監督やカメラマンとして活動していたこともある。

黒いビデオテープに、薄白いプラスチックのケースを被(かぶ)せたように見せるブックカバー。小口には葛飾北斎の『蛸(たこ)と海女』。『痴女の誕生』『巨乳の誕生』『ヘアヌードの誕生』など、戦後日本風俗史の重要な業績を著してきた「アダルトメディア研究家」の最新作である。

アダルトビデオ(AV)というテーマに眉をひそめる読者もいるだろうが、19世紀末のポルノ映画から現代まで、規制や技術、人々の志向に合わせて、AVが、それに関わる人々が、どう変わってきたのか、膨大な資料を用いてひたむきにたどる。

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