現代医学と伝統医学の「あわい」に立つ医師の言葉 『ことばのくすり』書評

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『ことばのくすり 感性を磨き、不安を和らげる33篇』稲葉俊郎 著
ことばのくすり 感性を磨き、不安を和らげる33篇(稲葉俊郎 著/大和書房/1650円/208ページ)
[著者プロフィル]稲葉俊郎(いなば・としろう)/医師、医学博士。軽井沢病院長。山形ビエンナーレ2020、2022芸術監督。1979年生まれ。東京大学医学部附属病院時代には心臓カテーテル治療や先天性心疾患を専門とし、夏は山岳医療に従事。西洋医学だけでなく伝統医療や民間医療なども修める。

長野県・軽井沢病院の「おくすりてちょう」は、処方された薬を記録する目的で配布されている小冊子とはやや趣を異にする。一冊一冊すべて異なる表紙デザインに、シリアルナンバーが刻印され、同じものはない。中は白紙だ。

心を動かされたことばを書き留め、折にふれて読み返すことで「言葉を良薬のように服用してほしい」という思いを込め、地元のデザインブランドとの協働で制作された。

本書はこの「おくすりてちょう」の発案者であり、同病院長を務める著者による、ことばをテーマとした33篇からなるエッセイ集である。

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