鋭い爪や牙を持たないヒトが地球最強の種となったのは、高度なコミュニケーション能力を用いて協力したからだ。例えばマンモスは、気候変動で数が減り、同時にヒトに狩られて絶滅したという。15人程度の群れで暮らすネアンデルタール人は、ヒトの大集団にはかなわなかった。
ヒトが直接統治できるのは今も最大150人程度といわれるが、私たちは中間組織や宗教、制度といったフィクションを作って協力し、数億人の国家統治をも可能にしている。繁殖のため進化の過程で淘汰圧が働き、競争だけでなく協力も本能に組み込まれたというなら、温暖化など地球規模の問題も解決可能だろうか。進化論、行動論の専門家が問うた興味深い一冊だ。
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