「子どもの不登校」進化史が教える意外な原因 『ヒトの原点を考える』長谷川眞理子氏に聞く

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『ヒトの原点を考える』著者の長谷川眞理子氏
[著者プロフィル]長谷川眞理子(はせがわ・まりこ)/進化生物学者。1952年東京都生まれ。東京大学大学院理学系研究科人類学専攻博士課程単位取得退学。理学博士。現在、総合研究大学院大学名誉教授、日本芸術文化振興会理事長。『進化とはなんだろうか』『クジャクの雄はなぜ美しい?』など著書多数。(撮影:今井康一)
目まぐるしく変化する現代社会。片やヒトの心と体は20万年前から変わりなし。私たちはこの社会についていけているのだろうか。進化生物学者が社会を斬る、文理融合エッセー。
ヒトの原点を考える: 進化生物学者の現代社会論100話
『ヒトの原点を考える: 進化生物学者の現代社会論100話』(長谷川眞理子 著/東京大学出版会/2420円/248ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──進化生物学の視点が入ると、社会の見え方が変わります。

経済学や社会学や政治学などは、「今」の状況を見て、それをどうするべきか考えます。ですが、少子化、戦争、気候変動など、今の問題がなぜ起きたのかを解明するには、ヒトがどんな環境で進化してきたのか、私たちの行動にどんな傾向があるのか、といった原点を知る必要があります。

なぜなら、この社会をつくってきた私たちの心と体は、人類が類人猿と分かれて600万年、ホモ・サピエンス誕生から20万年もの時間をかけて進化したものだからです。その原点を、とくに社会を動かす大人に知ってもらいたくて、この本を書きました。

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