
もしニーチェがイッカクだったなら? 動物の知能から考えた人間の愚かさ(ジャスティン・グレッグ 著/的場知之 訳/柏書房/2420円/284ページ)
[著者プロフィル]Justin Gregg/ドルフィン・コミュニケーション・プロジェクト上席研究員。加聖フランシス・ザビエル大学の非常勤講師として動物の行動学と認知学について教える。日本とバハマで野生のイルカのエコーロケーション能力を研究。
なんともぶっ飛んだタイトルだ。そして、一冊を費やして繰り広げられる主張も、タイトルに負けず劣らずぶっ飛んでいる。
人間は自らの知性を生物界において卓越したものと考え、その知性あればこそ人類は数々の偉業を成し遂げてここまでの繁栄を築き上げた、と信じている。だが、知性とはそこまで「よい」ものなのか。もっとシンプルな方法論で自然界を生き抜き、人間のように殺し合い、騙(だま)し合うことなく暮らす動物のほうがよほど幸せではないか、というのが著者の主張だ。
タイトルにあるニーチェは、高い思考力のあまり自らを破滅に追い込んだ人物、イッカクはシンプルな行動原理で幸せに生きる動物の代表であるらしい。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
(残り 1023文字 です)
ログイン(会員の方はこちら)
無料会員登録
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら