考古学の世界的権威が500万年に及ぶ人類の長い旅を綴(つづ)る。500万年前にヒト族はアフリカでチンパンジーやボノボと共通の祖先から分岐した。今もチンパンジーやボノボの生息地が当時と変わらない一方、人類は地球上のすべての大陸に活動領域を広げており、ヒトが「移動」を止めないのは2足歩行が可能になったときからの習性であることが実感される。
物語は4つのフェーズに
ヒト族誕生後の物語は大きく4つのフェーズに分かれる。第1幕はヒト族のアフリカからの最初の移動だ。この段階では脳は小さく道具も稚拙で生息地も限られた。
その後、250万〜200万年前に最初のホモ属が出現し、活動領域をユーラシア大陸に広げ、第2幕が訪れる。新天地では大型哺乳類などの食料に恵まれ、脳を巨大化させたホモ属は増えていく。
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