
500万年のオデッセイ 人類の大拡散物語(ピーター・ベルウッド 著/河合信和 訳/青土社/3520円/460ページ)
[著者プロフィル]Peter Bellwood/オーストラリア国立大学名誉教授。1943年英国生まれ。英ケンブリッジ大学大学院で博士号を取得。2021年に「自然と人間との共生」に寄与した研究に贈られるコスモス国際賞(公益財団法人国際花と緑の博覧会記念協会主催)を受賞。
考古学の世界的権威が500万年に及ぶ人類の長い旅を綴(つづ)る。500万年前にヒト族はアフリカでチンパンジーやボノボと共通の祖先から分岐した。今もチンパンジーやボノボの生息地が当時と変わらない一方、人類は地球上のすべての大陸に活動領域を広げており、ヒトが「移動」を止めないのは2足歩行が可能になったときからの習性であることが実感される。
物語は4つのフェーズに
ヒト族誕生後の物語は大きく4つのフェーズに分かれる。第1幕はヒト族のアフリカからの最初の移動だ。この段階では脳は小さく道具も稚拙で生息地も限られた。
その後、250万〜200万年前に最初のホモ属が出現し、活動領域をユーラシア大陸に広げ、第2幕が訪れる。新天地では大型哺乳類などの食料に恵まれ、脳を巨大化させたホモ属は増えていく。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
ログイン(会員の方はこちら)
無料会員登録
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら