「火の技術」を手にした人類が大発展した深い理由 生命と科学技術の進展の基礎はここにある

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人類の生活に決定的な変化をもたらした「火」と、人類史のクロスポイントを紹介します(写真:kker/PIXTA)
私たちの生活に必要不可欠な「火」。
料理をする、暖を取る、明かりになる。はたまたキャンプファイヤーで火を囲み、団らんの時間を過ごすこともできます。
一方で、火事や災害につながることもある火は、付き合い方を間違えると一大事にも発展しかねない、諸刃の剣と表現することができるでしょう。
そんな私たちのくらしを支え、ときに危険な側面も有する「火」と人類史のクロスポイントについて、左巻健男氏による最新著書『化学で世界はすべて読み解ける』からご紹介します。

「大気」と「空気」はどう違う?

ここからは、「火の技術と燃焼」についてお話しします。

物が燃えるためには、火だけではなく、空気が必要です。

では、「大気」と「空気」はどう違うのでしょうか?

地球には大気圏があり、宇宙の隕石や太陽の有害な放射線から地球を守っています。

大気は地上約500~1000キロメートルまで存在するといわれ、最下部の対流圏(地上から約8~18キロメートル)、その上の成層圏(地上約50キロメートル)、さらに上の中間圏、熱圏、外気圏があります。

私たちにとって身近なのは、対流圏と成層圏です。

対流圏と成層圏の大気を、私たちは「空気」と呼んでいます。

空気は地上から高くなるにつれて密度が小さくなっていきます。

密度は単位体積あたりの質量ですから、空気の密度が小さくなるということは、空気が薄くなるということです。地上から7キロメートルの高さで、空気の密度は地表付近の2分の1になってしまいます。

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