「火の技術」を手にした人類が大発展した深い理由 生命と科学技術の進展の基礎はここにある

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私たちは大気圏の底、つまりは対流圏の底に暮らしています。

ジェット機は、地上から約10キロメートル(1万メートル)付近の対流圏を飛んでいます。

この高さでは、空気の密度が地上の33.7%まで小さくなりますが、ぎりぎりエンジンに必要な酸素が得られ、また空気が薄いのでその抵抗力が小さいのです。

対流圏では、雲や雨などの対流現象が起こります。また、対流圏では高さ1キロメートルにつき、気温が約6.5℃ずつ低下しています。

成層圏は、暖かく軽い空気が上、冷たく重い空気が下になるので、対流が起こりにくいです。そして成層圏には、太陽光中の有害な紫外線を99%吸収するオゾン層が存在します。

地表付近と富士山の頂上の「空気の成分比」は、同じ?

面白いのは、空気が薄くなっても空気の成分組成(割合)が変わらないことです。

地球上であれば、空気の成分比はほぼどこでも同じです。

空気の成分は、乾燥空気(水蒸気が含まれていない空気)の体積比で窒素約78%、酸素約21%、この2つで全体の99%を占めます。ほかにアルゴン0.9%、二酸化炭素0.04%などが含まれます。

しかし、実は細かく見ると、場所や季節により多少変化があります。例えば、場所では植物が生い茂る森や林で、季節では夏に、光合成が盛んになります。光合成が盛んだと、酸素の量が増え、二酸化炭素の量が減ります。

乾燥空気で考えるのは、空気に水蒸気が含まれていて、その量には幅があり、一定していないからです。

例えば20℃の空気1立方メートル中は最大17.3グラムまで、また30℃の空気1立方メートル中は最大30.4グラムまで、水蒸気を含むことができます。

温度が高い空気のほうがたくさんの水蒸気を含むことができるのです。

最大限まで水蒸気を含んだ空気は、相対湿度100%です。その半分なら相対湿度50%になります。

次ページ「なまけ者」という名前の空気の成分がある!?
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