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「火の技術」を手にした人類が大発展した深い理由 生命と科学技術の進展の基礎はここにある

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  • 左巻 健男 東京大学非常勤講師。元法政大学教授、『RikaTan(理科の探検)』誌編集長
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人類は、森の中で生活していた猿の仲間を祖先とし、やがて地上で直立二足歩行をするようになったという大きな特徴があります。

そのときに、2本の前足が自由になり、その前足で道具を使うようになりました。

道具としては、木や石といった天然のものを材料とし、道具をつくるための道具もつくりました。

チンパンジーのように道具を使う動物もいますが、「道具をつくるための道具をつくる」動物というのはいません。

人類が火を使うようになった歴史

さらに人類がほかの動物と大きく違う点は、火を使えるようになった点です。

いつ頃から、また、どうやって火を使えるようになったのかは、はっきりとはわかっていません。

火山の噴火あるいは落雷によって起きる森林火災などから火種を取り、火を活用するようになったのかもしれません。

考古学上、人類が火を使用した可能性がある遺跡はいくつか見つかっています。

例えば150万〜100万年前のものでは、焼けた骨が見つかった南アフリカのスワルトクランス洞窟、また焚き火と関連して高温に熱せられた石が見つかったケニアのチェソワンジャ遺跡などがあります。

これらは、原人の時代のもので、おそらく彼らは、本格的な道具づくりと並行して、火も使うようになっていたと考えられます。

火を使用した明確な証拠がたくさん発見されているのは、旧人のネアンデルタール人の遺跡です。

ただし、ネアンデルタール人が自然の火から火種を持ってきたのか、火おこしの技術を持っていたのか、あるいは持っていたとしたら、それはどのような方法だったのかといったことは、未だ明らかになっていません。

火が日常的に広い範囲で使用されていたことを示す証拠は、12万5000年前のアフリカの遺跡から発見されています。この頃人類は、火おこしの技術を持っていたと考えられます。

普通の動物は火を恐れますが、人は野火などの草や木が燃えているところに接近します。恐れを知らない好奇心のかたまりのような子どもが火に近づき、火遊びをするようになった可能性もあります。

火遊びというのは、とてもインパクトのある言葉ですが、遊びに火を使う段階から、やがていつも火を使うという段階へ移行したのでしょう。

最初、火種は天然の燃えているものでしたが、その後、人類は天然の火種がなくても火をおこせるようになったと考えられます。それが発火技術です。

火をおこしやすい木と木の摩擦法が発火技術の中心だったと考えられますが、木は遺物として残りにくいため、発掘数が多いわけではありません。

進化の初期段階で火をコントロールできたこと。これは人類の進化にとって非常に重要なことでした。

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