ザック背負い荒野へ、無傷で済まぬレースの熱狂 『ウルトラランナー』書評

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『ウルトラランナー 限界に挑む挑戦者たち』アダーナン・フィン 著
ウルトラランナー 限界に挑む挑戦者たち(アダーナン・フィン 著/児島 修 訳/青土社/2860円/430ページ)
[著者プロフィル]Adharanand Finn/スポーツジャーナリストであり、マラソンランナー、トレイルランナー、ウルトラランナーとしても活動する。著書に『Running with the Kenyans』『駅伝マン──日本を走ったイギリス人』がある。

42.195キロメートルのフルマラソンは五輪の花形種目である。日本を含む世界各地で賞金レースも活況だ。これに対し、フルマラソンより長い距離を走るウルトラマラソンは異質なものといえよう。

出場者には過酷な環境が立ちはだかる。補給食などを入れたザックを背負い、アップダウンの激しいコースや荒野、山中などのトレイル、灼熱(しゃくねつ)の砂漠を走る。参加費は安くない。数日かけてゴールを目指すレースもあり、家庭や職場を離れる期間も長い。

さらに、無傷で完走するのはほぼ不可能で身体的にも精神的にも激しい苦痛が伴う。この点が通常のマラソンとの根本的な違いであることを、本書は「ケニアのトップランナーが50マイル(約80キロメートル)レースに挑戦する」という企画を通じて浮き彫りにする。

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