別業界にいた3兄弟が合流、老舗レース店『近沢レース店』大化けの裏側 30~40代女性を中心に大ヒットしたのはなぜ?
異色の経営体制
常識を覆すカラフルさと、斬新な絵柄をレースで表現し、思わず誰かに見せたくなるような世界観を表現した横浜・元町の近沢レース店のタオルハンカチ。
毎月、シーズンタオルハンカチの発売日にはオンライン上に数万人の整理券番号待ちが発生し、コラボ商品が発売されると完売を繰り返すなど、30~40代の女性を中心に一大ブームを巻き起こしている。
コロナ禍の2020年に落ち込んだ売上高は、2024年にはコロナ禍直前の2倍、2025年はさらにその倍を見込む。ただ、この数字は見た目以上の意味を持つ。
1901(明治34)年創業の老舗である近澤レース店5代目社長の近澤匡祐(ただすけ)氏が、新卒で入社した銀行を辞め、同社に入社したのは2007年のこと。実は2007年当時の売上も、2024年と同程度だった。しかし、2007年と2024年の経常利益の差は、なんと200倍になったという。
この背景には、“100年企業”が次の時代に向けて大きな転換期を遂げるさまざまな仕掛けがあった。
近沢レース店の経営は、社長で長男の匡祐氏を筆頭に、3兄弟で行っている。全員一度、家業とは違う業種の会社で働き、近沢レース店に戻ってきた。
「弟たちはどうかわかりませんが、私は外に出てもいずれ戻ることしか考えていなかった。就職活動のコンセプトも『3人とも苦手なことをやる』。自分は算数だった」
家業を継ぐことを前提に就職活動を行い、10年修行するつもりで銀行に入社。次男はアパレル、3男はホテル業界に就職した。しかし「社会人になり、ひよっ子とはいえ銀行にいると、近沢レース店の状況や体制の問題点が徐々にわかってきた。先に弟(次男)が戻ったこともあり、より細かい状況も把握できたことも大きかった」(近澤社長)。
当時まだ赤字ではなかったが、「今が支えるタイミング」だと判断し、予定より3年退社を前倒し、2007年近澤レース店に入社した。


















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