別業界にいた3兄弟が合流、老舗レース店『近沢レース店』大化けの裏側 30~40代女性を中心に大ヒットしたのはなぜ?
現在、オンラインでの売上は全体の4割を占めるまでに成長した。その結果、今起こっているのが「リアル店舗への回帰」だ。
最大60店舗あった直営店は、現在13店舗にまで縮小したが、「オンラインで買えないから、直接店に足を運ぶ。時間がかかっても、スパイラルアップが起こると確信していた。オンラインでの人気を経て、実は元町本店の売上がかなり伸びている。地方の百貨店も上がってきている。売り場で働いてくれている従業員たちにも、『絶対にお客さんは戻ってくるから、少しだけ我慢をして』とずっと思っていた。それが今起こり始めている」(近澤社長)
2026年は創業125年
元町本店の売上だけでみると、バブル期の1991(平成3)年も超え、2025年は過去最高記録に達する勢いだという。
ただ、「元町に来たら一番品揃えがあると思って足を運んでくださるのに在庫が枯渇しているのが、本当に申し訳ない。本店の陳列ももっと勉強しないといけない」と新たに起こりつつある潮流に、次なる課題も出てきた。
快進撃を続ける近沢レース店は、2026年に創業125年の記念イヤーを迎える。すでにタオルハンカチの生産キャパは上限に近い分、他の仕掛けをすでに検討中だ。
テーマは「五感でレースを編む」。
「コアなお客様からは、会社に着いたらまずハンカチを机の上に載せて、眺めながら仕事をするという声もいただいている。もっとレースを楽しんでもらいたい」(近澤社長)
それに伴い、レースを拡大解釈したモノづくりで、さまざまなコラボも水面下で進行中だという。
「レースの概念は変えたいとずっと思ってきた。近沢レース店は古いので、横浜ではある程度知っていただいているが、私と同世代の経営者と名刺交換しても『何屋さんですか』と聞かれることも少なくない。男性だと知らない人が多いですから。
横浜の人でも『昔、祖母の家にありました』というイメージ。それを一新させるためにどうしたらいいか。今、やっとタオルハンカチを通して1つの形にはなってきたところ」(近澤社長)
100年企業が令和の価値観に合わせてアップデートし、125周年を機に、その次のステージに向かう。タオルハンカチで新しい概念を生み出した近沢レース店の、次なる進化がまもなく始まる。
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