正当化されてきた人種差別、根絶のための提言 『人種差別主義者たちの思考法』など書評4点

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ブックレビュー『今週の4冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『人種差別主義者たちの思考法 黒人差別の正当化とアメリカの400年』

・『ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録』

・『10代からの政治塾 子どもも大人も学べる「日本の未来」の作り方』

・『極東のシマフクロウ 世界一大きなフクロウを探して』

『人種差別主義者たちの思考法 黒人差別の正当化とアメリカの400年』イブラム・X・ケンディ 著
『人種差別主義者たちの思考法 黒人差別の正当化とアメリカの400年』イブラム・X・ケンディ 著/山田美明 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・早稲田大学教授 柿沼陽平

欧米の歴史(とくに米国)は、黒人差別の歴史と切り離して考えることができない。それは、遠く日本の高等学校でも学ぶ周知の事柄だ。人種差別に対する問題意識の歴史も決して新しくはない。にもかかわらず、なぜ人種主義(レイシズム)反対運動は従来ことごとく未完に終わったのか。

正当化されてきた人種差別 歴史家が提言する根絶への道

本書は、この問題を包括的に扱う。著者は米ボストン大学の教授で、2020年に同大学に反人種主義研究・政策センターを設立した俊秀だ。

5部立てで、部ごとにピューリタンの教役者、コットン・マザー、第3代米国大統領、トーマス・ジェファーソンといった著名な人物が取り上げられる。議論は、彼らの生きた時代の背景を論ずる形で進む。

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