電力自由化で激突する東電vs新電力の勝敗 卸取引所拡充なら新電力のシェア2割超も

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マンション一括受電でも新電力が攻勢

全面自由化を機に新電力の攻勢が強まるのは必至だ。家庭など低圧分野は販売電力量では全体の約4割だが、利益源としては全体の7割前後を占めると見られる。それだけ電力会社にとっては”おいしい市場”。とりわけ人口密度の高い首都圏は草刈り場となる。そこでのシェア喪失は、高圧分野以上に東電の屋台骨を揺るがす。

実際には、すでに低圧分野でも実質的な離脱は始まっている。マンション一括受電の拡大である。低圧より高圧のほうが2~3割安い料金単価の差に目を付け、マンション各戸単位の低圧契約を一棟単位の高圧契約に切り替えることで、設備工事費などの経費を差し引いても年間数%程度の料金を節約できる。

その契約業務受託で最大手(計約13.5万戸)の中央電力は、東電管内での契約世帯6万戸強のうち約4万戸分の電力については、子会社の新電力である中央電力エナジーが販売。その電源の大半は、提携先の関西電力子会社の火力発電所や卸電力取引所から調達している。

中央電力エナジーの北川竜太・代表取締役は、「通信やリフォームなども子会社で手掛ける関電との提携効果も生かし、新電力内でのシェアを現状の1%弱から5年後には二ケタに乗せたい」と意気込む。首都圏のすでにあるマンションだけでも100万戸以上と潜在需要は膨大で、オリックスや長谷工コーポレーションなどもこの分野の営業を強化している。

10%を超える料金低下効果も

新電力がシェアを伸ばすカギはまず、電気料金だ。

今秋にも、一部の新電力が家庭向けの料金メニューを提示する見通し。同時に、家庭向け電力参入のテレビCMなどが話題に上るだろう。「ソフトバンクの“白い犬”が電気で光るのでは」「東京ガスの“電気ウナギイヌ”が大忙しになるのでは」など、業界内では冗談半分に臆測が飛び交う。実際、東京ガスは今期、電力小売り参入のための先行費用として数十億円投入する方針で、広告宣伝も大々的に打ち出してくる可能性がある。

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