「肝臓に脂肪をためない」お酒のつまみ"神セブン" 飲酒と脂肪肝の「罪深い関係」を専門医が解説

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5年以上にわたって過剰飲酒を続け、脂肪肝や肝炎、肝硬変などを生じた場合に「アルコール性の肝障害」とされる。

過剰飲酒とは、1日のアルコール摂取量が純アルコール量で60gを超えるものを指す。

日本酒なら3合(510mL)、ビールならジョッキ3杯(1500mL)に当たる。尾形さんが診ているスマート外来では、習慣的にこの飲酒量を超えて飲酒をしている人の9割に脂肪肝が見られるという。

酒で肝臓に脂肪がたまるワケ

なぜ、お酒の飲みすぎによって肝臓に脂肪がたまるのか。実は、アルコールに含まれる糖質だけが原因ではないようだ。

「アルコールには、『肝細胞での中性脂肪の合成を促して、肝臓への脂肪の蓄積を加速させる作用』と、『脂肪をエネルギーとして使う機能を低下させる作用』の2つがあります。つまり、お酒を飲むということは、『肝臓の脂肪を増やして、脂肪をエネルギーとして使わせない』という薬を飲んでいるようなものです」(尾形さん)

さらにアルコールの作用として、飲酒後には糖質がほしくなる、というのもある。

酒のつまみに脂質が多くカロリーの高い唐揚げなどの揚げ物を食べ、飲酒後にラーメンなどの高カロリーな糖質を摂るようであれば、脂肪肝リスクはより高まる。

糖質の摂りすぎで脂肪が蓄積した肝臓にアルコールによる悪い作用が加わると、肝障害はより重くなりやすく、肝硬変の入り口でもある「肝臓の線維化」も急速に進みやすい。

肝臓では、蓄積した脂肪の毒性によって肝細胞の炎症や壊死(えし)が生じる。それが修復されたときに生じる“傷跡”のことを線維化という。修復が繰り返されて肝臓内の線維化が進むと、肝硬変になっていく。

「正直に言うと、お酒を飲みながら脂肪肝を治すのは難しい」と尾形さん。だが、酒好きが脂肪肝ぐらいでお酒をキッパリやめられるかといえば、それもまた難しいだろう。

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