部下を毎日褒め続けた上司が受けた残念な評価 部下を褒める「ちょうどよいバランス」とは?

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「部下の悪いところばかりに目がいっていました」

「もっと長所を意識すべきだと、あらためて気付きました」

このリーダー研修で、ほとんどの受講者がこのような感想を持ったという。そして、その研修で感化されたマネジャーは、翌週から

「毎日、部下を褒めよう」

と決意したのだ。

このように研修に感化され、実際にこのマネジャーは毎日部下を褒め続けたのだ。タスク管理アプリを使いながら、計画的に褒めるようにした。しかし冒頭に記したとおり、大失敗に終わった。

このマネジャーのみならず、他にもこのような上司を何人も見てきた。褒めることを強く意識して部下に接し続けた上司たちだ。

その結果は、だいたい同じ。ことごとく「期待外れ」に終わった。「期待外れ」どころか部下との関係を悪化させた上司もいる。「毎日褒め」によって部下が離職したという最悪なケースまである。

もちろん「褒めたほうがいいか?」と部下本人に聞いたら、誰だって

「褒めてほしい」

「褒められたほうが、成長できると思います」

と答えるに決まっている。しかしどんなに時代が変わろうが、相手がZ世代の若者だろうが、それを証明するのは結果しかない。

「研修講師が褒めろと言うから、褒めたのに」

「本人が褒められたほうが伸びると言うから、積極的に褒めただけだ」

と言い訳してもしょうがない。結果として成長しないどころか、関係が悪くなったのなら失敗だ。

「褒める」ことで部下との関係を悪くする原因

それでは、どのように関係が悪くなったのだろう? 多いケースは「3つの不」を抱かれることだ。その3つとは、

(1)不安

(2)不満

(3)不信

である。

人を褒めるときは、もちろん「発生型」でやる。挨拶や声掛けは計画的にできるが、叱るのも、褒めるのも、計画してできるものではない。

たとえば、ハンバーガー屋に入店して、自分が頼んでもいないのに、キャンペーンで売り出し中のチーズバーガーを提供されたらどうなるか?

「私が頼んだのはフィッシュバーガーです」

と指摘しても、

「キャンペーン中なので、チーズバーガーをどうぞ」

と言われたら、誰だって混乱する。話が通じないから不安になるだろう。そして不満を覚え、最終的には不信感を募らせるはずだ。

「もうこの店には来たくない」

「友達にも言おう」

このハンバーガー屋さんの評判は、ドンドン落ちていくに違いない。部下を褒めるときもそうだ。

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