スマートグリッド導入で電力不足は解決できる--前グーグル日本法人名誉会長 村上憲郎

スマートグリッド導入で電力不足は解決できる--前グーグル日本法人名誉会長 村上憲郎

東日本大震災を受け、東京電力・福島第一原子力発電所をはじめとする原発に支えられた日本の電力供給体制が機能不全に陥っている。産業界にとっては今夏の電力総量規制をどう乗り切るかが喫緊の課題だが、規制が続けば日本経済の活力もそぎかねない。スマートグリッドやスマートメーターの普及が電力欠乏社会に活路を拓く、と説く前グーグル日本法人名誉会長の村上憲郎氏に、問題の処方箋を聞いた。

──震災を受け、電力政策に変革が求められています。

日本の電力政策の根本は、国策としてのいわゆる「安定供給」体制です。電力需要がピークとなる夏の数日間、しかも午後の数時間のために必要な発電設備容量を用意するという仕組みです。具体的には、2010年であれば7月23日に東京電力管内の消費電力が6000万キロワットを記録したわけですが、それに必要な設備容量を東電は準備していた。たとえ年に3日間、合計10時間かもしれなくても、ピーク時に電力ショートを起こさない、国民生活や産業に迷惑をかけないという国家の選択だったのです。

──世界的には少数派ですか。

日本ぐらいですよ。でも、これはこれで決して悪くない。日本人は電気料金を2倍払う代わりに停電をあまり経験したことがないでしょう。

しかし震災で電力のベースロード(供給基盤)が毀損してしまった。福島第一原発だけでなく、福井や九州の原発が民意に支持され再び稼働できるか不透明。では、どうすればいいか。ここでデマンドレスポンスという考え方が必要になります。

米国は00年代初頭にカリフォルニア州などで大停電を経験しました。そこで日本のような安定供給体制を選択したかというと、ピーク時以外には発電設備が余るわけですから、そんな非合理的なことはやりません。それよりも既存の設備をフル稼働させる。

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