スマートグリッド導入で電力不足は解決できる--前グーグル日本法人名誉会長 村上憲郎

中間事業者に蓄電… 新ビジネスも生まれる

──川下の需要は複雑。電力会社だけではコントロールは至難では。

デマンドレスポンスに応じる契約をしている需要家が事情で応じられないことも考えられます。そこを調整するのが、米国ですでに登場しているアグリゲーターと呼ばれる中間事業者の存在です。電力会社から、「明日の午後1時から3時まで10万キロワットが必要」と言われると、登録している需要家から募って10万キロワットのネガワットを創り出し、電力会社に売る。その収入から手数料を取り、残りを需要家にネガワット料として払い戻すのです。

──新しいビジネスが生まれる。

電力供給の不安定さを、企業家精神を持った人たちがいかに調整するかというところに新規のビジネスチャンスがあるわけです。

もう一つ注目されるのが蓄電。たとえば太陽光で発電した電力を、蓄電事業者がおカネをもらって蓄えておく。そしてこの電力を足らないときに売るわけです。蓄電もデマンドサイドマネジメントの一部です。

こうしたマネジメントによって、電力需要の曲線が平準化されてくれば、クリスマスのイルミネーション満艦飾もやっていい。オール電化生活もやっていい。今、皆1億総ざんげみたいに節電していますが、私はこれをメソメソ節電と呼んでいます。ですが、キロワットで表現される瞬間の電力が不足しているだけですから、デマンドレスポンスで、ネガワット発電・スマート節電に変革していきたいものです。

むらかみ・のりお
1947年生まれ。京都大学工学部卒業。日立電子、米DEC、インフォミックスなどを経て、2003年にグーグル日本法人社長に。09年に同名誉会長。11年1月にグーグルを退き、村上憲郎事務所を京都に開設、政財界にハイテクの観点からの政策提言を行っている。著書に『村上式シンプル仕事術』など。

(聞き手:杉本りうこ、倉沢美左 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2011年7月2日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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