スマートグリッド導入で電力不足は解決できる--前グーグル日本法人名誉会長 村上憲郎

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 つまりピーク時以下の設備容量しか持たず、ピーク時の電力需要を削減するか、需要をほかの時間帯に移す。ピーク時の高い需要曲線をいかに平らに近づけていくかというのがデマンドレスポンスです。さらに、通信機能を持った積算電力計「スマートメーター」を導入して機械的にピークカットをしよう、というのがオバマ政権のグリーンニューディールの一環として出てきた「DR(デマンドレスポンス)2・0」です。

発電に原発がいいのか、太陽光がいいのかと議論している人もいますが、その議論にはまったく生産性がない。すでに原発というベースロードが毀損し、現実問題として従来の体制を継続できないのですから。それよりも米国やドイツが採用しているデマンドレスポンスの方向へ行かざるをえないというのが私がずっと言い続けていることです。

今夏は総量規制で頑張ってくださいということで乗り切るしかないけれども、来年の夏も同じように強制や国民の“善意”でというのは、現代国家のやることではない。

──計画経済の国みたい。

でしょう。来夏にはデマンドレスポンスという仕組みを少しでも入れていくべきで、そこにわれわれIT業界の人間はお手伝いができる。

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