スマートグリッド導入で電力不足は解決できる--前グーグル日本法人名誉会長 村上憲郎

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200億円で原発1基分の節電が可能

──100万世帯へのスマートメーター導入を呼びかけています。

もしメーターを一つ設置するのに2万円かかるとしたら、100万世帯の導入に200億円かかります。これにより、ピークのときに各戸1キロワット節電すれば全体で100万キロワットカットできる。これは原発1基分です。建設だけで2000億~3000億円かかる原発の発電能力が、200億円で賄えることになる。私たちはこれを100万キロワットの「ネガワット発電所」だとか「スマート節電所」だとか説明しています。

消費者に対しては、節電した量に応じて「スマート節電料」といった名目で払い戻しを行う。善意の節電というのは、節電して電気代が少なくなるメリットは受けられますが、ピーク時を避けて夜中に家事をしたときの電力消費に対しては対価を受けられない。このピークシフト部分に対して対価を払うのが、ネガワット買い取りの考え方です。

では、そのおカネはどこから来るのかというと、電力会社は200億円で原発1基分の発電力を仮想的に手に入れたことになる。そうすると、1800億円が使わなかったおカネとしてあるじゃないですか。そこから払うわけです。

──しかし今の東電にその費用負担ができますか。

確かに東電は疲弊しているから、まず政府が補正予算で200億円ぐらい計上してやってみる必要があります。産業界はこの趨勢をもう感じ取っていて、東芝がスマートメーターの世界2番手を買収するような動きもある。

日本は送電系統はしっかりしていてそこのスマートグリッド化は必要がない一方、今後はスマートメーターが重要な機器になると多くの人が気づき始めている。NTT、KDDI、トヨタ自動車などがスマートメーターに関心を示しています。

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