キーエンスといえば、新たに生み出す商品の約7割が「世界初」「業界初」という高付加価値商品が売り物ですが、これこそが、顧客も気づかない潜在需要を掘り起こす「質問力」「顧客取材力」「提案力」をベースにした「激密なコミュニケーションの賜物」というわけです。
「現場でのコミュニケー
こうした最前線での営業を下支えするのが、2つ目の「社内コミュニケーションの徹底した仕組み化」です。
社外のコミュニケーションも濃ければ、社内はそれ以上に濃密。
「営業マンの知識レベルを均一に上げていくための情報共有の仕組みを作りました。まずは顧客の生産ラインの様子を緻密に図式化した『工程ハンドブック』を会社として作成、それを営業の人たちに配布して、事前に、セールス先の現場の状況を学んでもらいます」
さらに、「相手先に出向く前に、セールスパーソンは先輩社員と徹底的に『ロールプレイ』をし、セールストークの練習を重ねる」。
そして、「営業が終われば、その日のうちに、客から吸い上げた情報を『ありのまま報告』して、すべて社内で共有する」という徹底ぶりです。
まさに、抜け漏れの一切ない「過剰なまでの量と質とスピードのコミュニケーション」が日々繰り返されるのです。
強みの「即納」を実現する仕組みは?
キーエンスのもうひとつの強みが「即納」。
「今は多くの企業が在庫を持たない経営を目指していますが、キーエンスは、3~5カ月分は在庫を持って、どんな商品でも、すぐに即納できるようにしておきます。お客さんにとっては在庫を持つデメリットがなくなるので、非常に喜ばれるのです」
「誰よりも顧客のニーズを知り尽くしたセールスパーソンが、痒いところに手が届くきめ細かさで寄り添い、欲しかった商品をすぐに届けてくれる」
まるで「アラジンの魔法のランプ」のような存在が重宝されないわけがありません。それだけの付加価値があるからこそ、「値引きなしでも売れる」のです。
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