顧客の満足度を高めるためにあらゆる工夫を惜しまない、キーエンスの3つ目の工夫が「見せて、五感を揺さぶるコミュニケーション」です。
口頭で伝えるだけでは、魅力がわかってもらえない
口頭で伝えるだけでは、なかなかその魅力がわかってもらえない。
だから、「できるだけ、カタログではなく、現物のサンプルを持参して、デモを見せ、触って、使ってもらう」。
時には何十キロもあるものを運ぶこともあるそうですが、「カタログでいくら数値を言われてもインパクトは少ない。デモンストレーションで、その便利さ、良さを直感的にわかってもらう」ために、「見せる仕組み」にこだわっているのです。
そして、4つ目の仕組み化が、「セールスポイントではなく、徹底的なパーチェスポイント(購買側)起点」です。
日本の製造業では、「高性能なものを作れば売れる」とばかり、「商品視点のモノづくり」を推し進めてきました。
佐々木さんは、「日本の製造業によくある商品起点の『こんないいもの作りました』アピールは意味がない」と一刀両断。
大事なのは、客にとってのメリットであって、自画自賛のセールストークではないわけです。
だから、「徹底的に購買側(パーチェスポイント)起点に立つ。たとえば、『この商品こんなにいいんです』ではなく、『お宅にこのシステムがあれば、最終段階で目視でやっているところが全部いらなくなりますから、イニシャルコストが2カ月で、回収できますよ』となる。セールスポイントばっかり機関銃のように発射しても当たりません」。
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