「父が倒れ、田舎に帰っていたら、就職活動に乗り遅れた」という佐々木さんが、たまたま求人広告を見つけて、キーエンスの前身、リード電機に入社したのは、1982年のことでした。当時は社員80人弱、売り上げは9億円。
そこから、右肩上がりの倍速的な成長を遂げ、今や連結の従業員数は1万580人(2023年3月現在)、売り上げは9224億円(2023年3月期)、そして、社員平均年収は約2300万円と、驚異的な高収益と高収入を実現する超優良企業として、その名をとどろかせています。
その収益性、成長カーブは日本企業の中では図抜けており、たとえば、
停滞する日本企業の中にあっては、まさに「奇跡の企業」と言えるでしょう。
裏も表も知り尽くす「生き字引」的存在
佐々木さんは創業者の滝崎武光氏の後を継ぎ、2000年に2代目社長に就任し、2010年までの10年間で、その成長の礎を築きました。
30年にわたりキーエンスに在籍し、まさにその裏も表も知り尽くす「生き字引」と言える存在ですが、これまでメディアへの登場や、セミナーへの登壇など表に出ることは、ほぼありませんでした。
「会社として取材はほとんど受けなかったし、業界団体にも属さなかった」という孤高で、秘密めいた「キーエンス」とはいったい、どんな企業なのでしょうか。
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