アラサーのための戦略的「人生相談」--自分を「客観視」するためのトレーニング法(その2)
■■第15回・最終回 自分を「客観視」するためのトレーニング法(その2)
高田昇・仮名 30歳 広告代理店
広瀬:前回も述べたように、冷静に対処するためには、つねに「自分自身を把握する」必要があります。では、どのように自己を把握するのか? 最初に「自分とは何か」ということを考えてみましょうか。
高田:哲学的ですね。
広瀬:「自分とは何か?」という問いかけは、哲学そのものですよ。
現代哲学は「時間と自己」を考えることからスタートしました。ただ、「自分とは何十億個の細胞によって構成されて……」というような生物学的、あるいは物理的な問題とは違います。世の中には科学と哲学がありますが、「どういうふうに生きるか」を問うのは、まさに哲学の問題です。
簡単に言うのは危険ですけど、「自分とは、自分としての行動のこと」と考えてもいいでしょう。
「好きな飲み物を飲む」という行為も自分です。それらの行動を決定する要因が必ずあるはずです。それを「行動規範」と言います。
たとえば、何か飲もうとすると、そこにジャスミンティーとミネラルウォーターがある場合、どちらを飲むかという判断をしますね。テレビを見るときに、ニュースを見るのか、それともお笑いを見るのか、ドラマを見るのか、どれを優先するかは、自分の価値観によります。それで具体的な行動が決まります。