アラサーのための戦略的「人生相談」--自分を「客観視」するためのトレーニング法(その2)

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 「人生の棚卸し」という言葉もありますね。これまで生きてきた自分を、いったん棚卸しして在庫状況などを分析してみると、「これは捨てたほうがいい」「ここをもっと増やしたい」ということがわかるはずです。自己分析すること自体が、自己客観化ですね。

「自己客観化」という作業は、自己分析する中でトレーニングできます。それを一回やってみて、「自分にとって何が大事か、何が必要か」がわかったら、その日以降とその前日までとでは、人生への対し方が変わるはずです。つまり人生そのものが変わる。それが自己客観化であり、自己把握という問題です。

分析して初めて「十分なのか」「十分でないとするなら何が欠けているのか」「欠けているとすれば、それはどうすれば補完できるのか」に思い至るはずです。そして、次に「補完する方法が複数存在するが、どういう順番でやると最も有効なのか」という「優先順位(Priority)」の課題に取り組むことができるのです。

それこそが人生を戦略的に考えるということなんですよ。


ひろせ・いちろう
 1955年生まれ。東京大学法学部卒業。80年、電通入社。トヨタカップを含め、サッカーを中心としたスポーツ・イベントのプロデュースを多数手掛ける。2000年に電通を退社し、スポーツ・ナビゲーションを設立。その後、独立行政法人経済産業研究所の上席研究員を経て、04年にスポーツ総合研究所を設立し、所長就任。江戸川大学社会学部教授を経て、多摩大学の教授として「スポーツビジネス」「スポーツマンシップ」を担当。著書に『Jリーグのマネジメント』『スポーツマンシップ立国論』など。現在東京と大阪でスポーツマネジメントスクールを主宰し、若手スポーツビジネスマンを育成している。
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