日本人の「お金さえあれば大丈夫」信仰が危険な訳 田内学×銅冶勇人「お金か仲間か」対談【前編】

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銅冶:狙っていたというか、24時間「目の前のこの人を喜ばせるには、どうすればいいだろう?」ってことを考えて、引き出しを増やしていきました。

好きな人がいたら、好きになってもらえる方法を考えるけど、普段はあまり考えませんよね?

でも、普段から考えることによって、今自分が何をすべきかがおのずとわかってくるんですよ。

「この人に喜んでもらいたい」っていうシンプルな答え探しを毎日やっていった結果、仲間が増えていったっていうのが結論ですかね。

日本人が知らないアフリカの現状

田内:あるとき、銅冶さんにバーベキューに誘われたんです。チャラチャラした人たちの集まりだったらやだなと思いながら行ってみたら、銅冶さんと一緒にアフリカの支援をしている仲間の集まりで。

銅冶さん
銅冶 勇人(どうや・ゆうと)/株式会社DOYA CEO/ NPO CLOUDY 代表理事。1985年東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。2010年に特定非営利活動法人CLOUDYを設立。ケニアのスラムに住む子どもたち教育・雇用支援を開始。2015年にアフリカ・ガーナでの雇用創出を目的としたファッションブランド“CLOUDY”をスタートし、これまで約630名のワーカーを雇用。現在7つの学校を運営し、これまで約3800人の生徒に教育の機会を提供。CLOUDYとNPO CLOUDY2つの組織でクリエイティブとビジネスを循環させ、アフリカの自走を実現する(画像提供:銅冶勇人氏)

アフリカ支援っていう言葉が出てきて、社会活動とかしているイメージがなかったので、驚きました。

そこで、「アフリカに服を送っちゃいけない」という言葉が彼から出てきたんです。寄付したり物を送ってあげたりするのはよいことだと思っていたので、衝撃的でした。

銅冶:1万枚のTシャツを途上国に送りましょうってキャンペーン、よくありますよね。

世の中には実際に送っている方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、現場はどうなってるかを感じてほしいなって思います。

要は1万枚のTシャツを送ると、現地で1万枚のTシャツを作っている人たちや、売っている人たちの仕事を奪うことになるんです。ただでもらえるなら、買う必要はないって。

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