「アフリカに服送るな」怒る男に学んだお金の本質 アパレルブランド「CLOUDY」代表に教わったこと
「お金の本質を突く本で、これほど読みやすい本はない」
「勉強しようと思った本で、最後泣いちゃうなんて思ってなかった」
経済の教養が学べる小説『きみのお金は誰のため──ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』には、発売直後から多くの感想の声が寄せられている。本書は発売1カ月半で10万部を突破したベストセラーだ。
著者の田内学氏は元ゴールドマン・サックスのトレーダー。資本主義の最前線で16年間戦ってきた田内氏はこう語る。
「みんながどんなにがんばっても、全員がお金持ちになることはできません。でも、みんなでがんばれば、全員が幸せになれる社会をつくることはできる。大切なのは、お金を増やすことではなく、そのお金をどこに流してどんな社会を作るかなんです」
今回は、ゴールドマン・サックス時代の後輩で、現在はアパレルブランド「CLOUDY」の代表としてアフリカ支援活動を続けている銅冶勇人氏から、田内氏が学んだ「お金と経済の本質」をお届けする。
面接で落とした彼から学んだ「お金と経済の本質」
ゴールドマン・サックス証券でのトレーダー時代、会社の新卒採用で1000人以上の学生と面接してきた。その中で、圧倒的な存在感を放っていた学生がいる。
グループ面接で「サイコロを2個転がしたときに一番出やすい数は何か?」という質問をしたとき、彼は「12です」と即答した。
もちろん不正解だ、統計学的には。
面接の場には、奇をてらった答えを言って目立とうとする学生が少なからずいる。僕は、「12を出すには2つとも6を出さなきゃいけないんだけど、本当に出やすいかな」と冷たく返した。
その学生は、笑顔を絶やさない胸板の厚い男だった。エントリーシートに、アメフト部と書かれていて妙に納得した覚えがある。
彼は物おじせずに身を乗り出すと、力強く主張を繰り返した。
「ここぞという場面で、自分は必ず6を出します」
僕は苦笑していたかもしれない。容赦なく彼を選考から落とした。
このときは、彼からお金と経済の本質を学ぶことになるとは思わなかった。そして、この「必ず6を出します」という言葉が、今の日本に一番足りないことだ。
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