「アフリカに服送るな」怒る男に学んだお金の本質 アパレルブランド「CLOUDY」代表に教わったこと
面接で落とした彼から学んだ「お金と経済の本質」
ゴールドマン・サックス証券でのトレーダー時代、会社の新卒採用で1000人以上の学生と面接してきた。その中で、圧倒的な存在感を放っていた学生がいる。
グループ面接で「サイコロを2個転がしたときに一番出やすい数は何か?」という質問をしたとき、彼は「12です」と即答した。
もちろん不正解だ、統計学的には。
面接の場には、奇をてらった答えを言って目立とうとする学生が少なからずいる。僕は、「12を出すには2つとも6を出さなきゃいけないんだけど、本当に出やすいかな」と冷たく返した。
その学生は、笑顔を絶やさない胸板の厚い男だった。エントリーシートに、アメフト部と書かれていて妙に納得した覚えがある。
彼は物おじせずに身を乗り出すと、力強く主張を繰り返した。
「ここぞという場面で、自分は必ず6を出します」
僕は苦笑していたかもしれない。容赦なく彼を選考から落とした。
このときは、彼からお金と経済の本質を学ぶことになるとは思わなかった。そして、この「必ず6を出します」という言葉が、今の日本に一番足りないことだ。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら