日銀「1%上限」撤廃は住宅ローン地獄の始まりか うどん屋とハンバーガー屋で読み解く日本経済
超低金利に慣れきってしまった日本人
「えっ、この数字、本当に合ってます?」
ローンの返済表を渡された会社員の哲男は、眉をひそめた。
毎月の返済額が15万円程度なのは知っていた。ところが、初月分の利息の欄には12万5000円と書かれている。返済額の約8割が利息の支払いなのだ。
「いえ、その数字で間違いないですよ」
紺のスーツを着た黒メガネの男がニコッと笑った。
哲男が来ているのは、消費者金融ではない。誰もが知っているメガバンクだ。念願のマイホームを購入するために、住宅ローンを組んだのだ。
黒メガネの銀行員は、自信ありげな顔で続けた。
「お客様には、特別に5%の優遇金利を使わせてもらいました」
こうして、哲男は住宅ローン地獄の門をくぐった。



















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