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日銀「1%上限」撤廃は住宅ローン地獄の始まりか うどん屋とハンバーガー屋で読み解く日本経済

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  • 田内 学 お金の向こう研究所代表・社会的金融教育家
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うどんも、ハンバーガーのパンも、どちらも原料は小麦だ。小麦が値上がりすれば、うどん屋もハンバーガー屋も値上げをしないといけない。ここで儲かるのは、小麦農家。景気の良い小麦農家は、ハンバーガーが多少高くなっても、喜んで食べてくれる。ハンバーガー屋は繁盛する。

ところが、小麦農家は日本のうどんを食べてはくれない。小麦農家はアメリカに住んでいるからだ。

小麦は一例にすぎない。この数年、世界中で食料、エネルギー、資源の価格が高騰した。そして、日本はそのほとんどを海外からの輸入に頼っている。僕らが高いお金を払って商品を買っても、お金の流れる先が海外なのであれば、国内の賃金は上がらないし、景気も過熱しない

その結果、日本は円安で苦しんでいる。

「円安でも貿易赤字」という最大の問題

この円安に、また別の問題がひそんでいる。

そもそも、日銀によるゼロ金利政策には、円安に誘導して海外に日本製品をじゃんじゃん売って儲けようという魂胆があった。思惑通り、1ドル150円にまで円安になったのに、9月の貿易統計ではいまだに貿易赤字だ(季節調整後の数字)。海外に対して十分に売るものが存在しないのだ。むしろ、海外に対してお金を払うことが増えている

昨日の晩、僕は寝る前にスマホで映画を見た。25年前の学生時代に比べると生活は相当変わった。当時は見たい映画があれば、わざわざレンタルショップに行ってビデオを借りて、家のテレビデオで見ていた。

この25年で変わったのは、便利さだけではない。お金の流れる先もだ。

学生時代の僕はTSUTAYAとソニー(テレビデオ)にお金を払っていたが、現在の僕はApple(iPhone)とNetflixにお金を払っている。国内で循環していたお金が、海外に流れて戻ってこなくなっているのだ。

これが日本の現状である。

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【「セロ金利」というぬるま湯】

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