日本人の「お金さえあれば大丈夫」信仰が危険な訳 田内学×銅冶勇人「お金か仲間か」対談【前編】
田内:12って両方6が出なきゃいけないから出にくいはずなのに、銅冶さんは自信満々に、「僕はここぞというときには必ず12を出すんです」って言ったんです。
数学の知識が必要なトレーディングデスクの採用なんで、まあ落としました(笑)。
銅冶:落とさないでくださいよ(笑)。
田内:でも、その次の4月に営業で入ってきたんですよね。
お金よりも仲間が大事な理由
田内:一緒に働いていたとき、銅冶さんが、僕の扱う商品をお客様に説明するシーンがあったんです。
伝えられるか不安だったので近くで話を聞いていたら、お客さんも心配していて、「銅冶君、よかったら僕がトレーダーに説明しようか」って(笑)。
これってすごいことで、普通は、自分で説明できるようにしなきゃいけないんだけど、お客さんが助けてくれる。お客さんが「仲間」になっているんです。銅冶さんは、仲間を作るのがめちゃくちゃうまい。だから、自分でできなくても助けてもらえるんですよね。
銅冶:すごいって言ってくれましたけれど、努力しろよって言われてもおかしくない、僕のダメな部分でもあります。
でもお客様も味方になってくれて、一緒に戦ってくださる方が多かったんです。
田内:今の世の中では、英会話スクールで英語を教えてもらったり、ベビーシッターを雇って子どもの面倒を見てもらったりするように、お金を使って味方や協力者を作っているけれど、得意な人と仲間になったら、お金を払わなくても助けてもらえるんですよ。
銅冶さんは、僕にはできないことをやっていたので、当時からすごいなと思っていました。
銅冶:銅冶だからやってやるよ、と言ってくれる仲間を何人見つけられるかと考えたとき、日頃から自分に魅力を感じてもらう行動が必要だなと思ったんです。
田内:仲間づくりのために、狙ってやっていたことってありました?