おならや便の悪臭、膨満感は「膵臓の危険サイン」 糖尿病の原因に、膵臓がんリスクは約12倍も

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非代償期になると痛みは軽減するが、膵臓の機能が低下することで食べた物が十分に消化吸収されないため、脂溶性ビタミン不足、低栄養に陥りがちになる。

「ですから、代償期と違って脂肪を制限してはいけません。そのままではうまく消化吸収されませんから、膵消化酵素薬を内服しながら、脂肪を含めて十分な栄養を摂ることが大切です」(正宗さん)

膵臓の健康にも目を向けて

慢性膵炎についてより詳しく知りたい人は、慢性膵炎診療ガイドラインを読むといいかもしれない。

「もともとは医療者向けでしたが、現在では一般の方にも読んでいただくことを念頭に、平易な言葉で書かれています。さらに日本消化器病学会からは『患者さんとご家族のための慢性膵炎ガイド2023』も作成され、インターネット上で公開されています」

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と正宗さん。診断を受けた後に読んでおけば、治療を理解するための助けになるだろう。

慢性膵炎の患者数は増加傾向にある。1994年は3万2000人だったのが、2016年には5万6500人と増えていて、40〜50代で発症することが多い。

「肝臓の病気は肝機能の数値でわかるので気にかける人が多いのですが、膵臓に目を向ける人は少ないのです。この記事をきっかけに、ぜひ膵臓の健康にも目を向けてもらえたらと思います」(正宗さん)

(取材・文/大西まお)

東北大学大学院医学系研究科教授
正宗 淳
1990年東北大学医学部卒業、1996年東北大学大学院修了。2018年より東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野教授。日本内科学会評議員・指導医・総合内科専門医、日本消化器病学会副理事長・専門医・指導医、日本膵臓学会理事・指導医。日本消化器内視鏡学会社団評議員・指導医・専門医。
東洋経済オンライン医療取材チーム 記者・ライター

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とうようけいざいおんらいんいりょうちーむ / TKO Iryou-Team

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