飲酒後に激しい腹痛・背中痛
急性膵炎の患者数は年間7万8000人ほど。女性よりも男性のほうが約2倍かかりやすく、男性は40〜60代、女性は60〜70代に多いのが特徴だ。
その症状は、お酒を飲んだり脂っこい食事を摂ったりした数時間後に突然、激しい腹痛から始まることが多い。胃腸炎の痛みと違って、冷や汗が出るほどの激痛だという。お酒を飲んだ後ということで夜中に発症し、夜間救急に駆け込むケースもあるそうだ。
「最初は胃腸薬や痛み止めの薬を飲んで様子を見る方もいますが、それで我慢できる痛みではないことがほとんどです。そのため多くの方が病院を受診し、急性膵炎と診断されれば、そのまま入院することになります」(正宗さん)
膵臓は胃の後ろ側にあるため、お腹だけでなく背中が痛いと感じることもある。「お腹の奥が痛い」と言う人もいる。
2016年、日本膵臓学会において正宗さんらは「急性膵炎の全国疫学調査 」を実施した。2016年に治療された3000例を詳しく解析したものだ。
その結果によると、急性膵炎の初期症状は腹痛が92.1%、嘔吐が27%、発熱が16.9%、背中痛が16.7%。正宗さんは「飲酒後にこうした症状が生じた場合は、速やかに消化器内科を受診してください」と助言する。
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