オーケーやロピア、首都圏ディスカウントの大激戦 消費者の価格選好が強まり地場スーパーは危機
同じく埼玉の上場スーパーマミーマートは、かなり前からディスカウント業態(生鮮市場TOP、マミープラス)を導入して、出店したり転換したりで、今や全店の4割が新業態となった。こうした埼玉勢の新しいディスカウント店は、みな顧客からの評判も上々だといわれており、今後こうした業態の店舗が急速に増えていくことになりそうだ。
首都圏では、東京23区中心部や、北関東方面にも、本格的なディスカウント型スーパーが広がる可能性がある。オーケー、ロピア、およびヤオコー、ベルク、マミーマートの新業態が入り乱れて生き残り競争を繰り広げることになる。
トップバリュが消費者に浸透しつつあるイオンも、首都圏のUSMH(マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東)に、いなげやを傘下に入れて食品スーパーだけで首都圏売り上げ1兆円のトップシェアを確立している。ディスカウント業態と、迎え撃つイオンとの競争激化で、首都圏の買い物環境は変わっていくかもしれない。
地場中小スーパーは存続の危機となるか
消費者の価格選好が強まる中、首都圏スーパーの競争はこれまで以上に加速しつつあり、今後、地場中小スーパーにとっては存続の危機ともいうべき厳しい状況が来るかもしれない。一部のスーパーでは、一定品目を値下げ対応することで、集客の挽回を図ろうとする動きもあるように聞くが、生産性向上に基づかない値下げであるなら、疲弊するだけで、あまり意味はないだろう。
前述のディスカウント業態は、低価格を実現できるインフラを構築したうえで、十分に収益を確保できる仕組みをもって競争を仕掛けている。インフラもないまま、価格競争に巻き込まれることは、ディスカウント業態の思うつぼであり、ほぼ勝ち目はない。
本来、価格訴求だけが店の選択基準ではなく、安易な価格競争への参戦ではなく、価格以外の理由で来てくれている自社顧客と向き合うことのほうが大事なのだ。既存顧客のニーズ、需要規模に合わせた店作りをするほうが生き残れる可能性は高いはずであり、そのための時間稼ぎとしての値下げ対抗であるなら、大いに奮戦されることを期待する。
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