オーケーやロピア、首都圏ディスカウントの大激戦 消費者の価格選好が強まり地場スーパーは危機

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国もこの状況をわかってはいるため、産業界に賃上げを強く要請しているが、対応できているのは大企業であって、中小企業ではほとんど実施できていない。

このため、まずは中小企業の大企業向けの価格転嫁を進めることで、賃上げ原資を確保する政策を実施しつつある。未だ道半ばであるため中小零細企業で賃上げが浸透するまでには、相当な時間を要することになるだろう。

所得が少ない層の家計に大ダメージ

こうした背景を踏まえながら、家計調査のデータから2023年1月以降の所得階層別の家計への影響具合をみると、あたりまえだが、所得が少ない層(中小企業勤務者が多いと推定)ほどダメージが大きいことがわかる。

収入に占める食品支出額の割合の推移をみると、所得が少ない順に(所得階層は少ない順に1→5)食品支出の割合が増加している。所得が高い層では若干比率は上がっているものの、ほぼ横ばいとなっており、改めて食品価格上昇の影響は所得が少ない層の家計にダメージが大きいことを確認させる結果となった。

食品という必需支出が値上がりしてしまったため、子育て世代や年金に依存している世帯などは節約モードに移行せざるをえない。となると、耐久財への支出先送り、外食・娯楽といった支出の削減、そして、必需品購入における店舗の価格選考ということになるだろう。

生活必需品の買い物についていえば、具体的には、これまでの使っていたスーパーを見直して、①ディスカウントストアを使う、②ドラッグストアで買う、③絶対額で安くなるプライベートブランド商品を選ぶ、という行動になるだろう。

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