キーエンスは「仕組み」ですべての課題を改善する チームのプロセスを数値化してマネジメント
一方、メンバー一人ひとりのスキルに原因を求めた場合は、教育が必要になりますので改善されるまでに時間がかかります。
研修を受けさせたりスキルの高い人のスキルを学ばせたりする必要があるためです。ですから、チームの数値化によって問題が発覚した場合は、まずはリソースの配分に問題がないか確認し、リソースの再配分で問題が解消できないかを検討します。
個人の数値化の限界とチーム全体の数値化
それでも問題が解決しなかった場合は、メンバーのスキルに問題がないか確認して、必要であれば再教育を施します。つまり、まずは即効性のあるリソースの再配分を検討する。それでダメなら時間のかかる再教育を検討する、という順序で取り組むことを心がけると、チームの生産性を速く高められることが期待できます。
一方、個人で数値化を行って問題を解消する場合には、必ずしもリソースの再配分を優先させることを検討すべきだとは言えません。なぜなら、個人の場合は一人ですからリソースの配分に原因があることを特定できない場合が多いのです。
例えばそもそもその個人が大規模の企業だけを担当していた場合、「アポ」の転換率が企業の規模により変わることに気づけません。これが個人の数値化の限界であると言えます。
しかしチーム全体を数値化して、その数値を俯瞰しながら分析しているマネジャーがいればメンバー間の比較を行えるので、個人では気づけないリソースの配分の問題に気づくことができます。これがチームで数値化を行う強みです。
もう一つ、チームの数値化で注意しなければならないのは、リソースの配分の検討は優先すべきですが絶対に再配分しなければならないわけではないということです。検討した結果、今回は見送るという判断も可能です。
それに対してメンバーの再教育は優先しなかった場合でも、必要が生じた場合は見送ることができません。放置できないのです。
たとえばあるメンバーが電話すると、下手すぎて取れるアポも取れない、かえってチーム全体の転換率が下がってしまうことがわかった、といった場合でも、それなら「君は電話しなくていいから」というわけにはいかないからです。
そのような指導をしてしまっては、いつまでもメンバー数相応の転換率を達成できませんし、できない人はやらなくてもいいとなれば、チーム全体の士気が下がってしまいます。ですからこの場合は、必ず再教育して戦力に育て上げる必要があります。
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