キーエンスは「仕組み」ですべての課題を改善する チームのプロセスを数値化してマネジメント
しかし、前項でチームの「行動の質」が低い場合の原因には「仕組み」の問題が隠れていることがわかりました。すると、実は「仕組み」に問題があったかもしれないという2つの可能性が浮き上がってきます。
まず一つは、トークスクリプトをきちんと習得できていなかったメンバーがいたことから、研修や教育の「仕組み」に問題があったのではないかという可能性です。
スキルの問題の裏に潜む「仕組みの問題」
もしも、研修や教育の「仕組み」に問題があったのだとすれば、これを改善しない限り今後もメンバーが増えたり、変わったりした場合には一定数でトークスクリプトを習得できずに「電話」から「アポ」への転換率を下げてしまうメンバーが出てきてしまう可能性があります。
そしてもう一つの可能性は、そもそも「トークスクリプト」のマニュアルに、使う側の裁量や技能で解釈が変わってしまうような曖昧さがなかったかという可能性です。これもマニュアルの不備という「仕組み」の問題になります。
既に、チームの「行動の質」の原因を検証する際には、まずはリソースの配分が適切に行われているかを確認し、その次にメンバーのスキルを確認するという優先順位が有効であるとお話ししました。
しかしメンバーのスキルに原因がありそうだと判断した場合は、さらにそのスキルの差が研修や教育、マニュアルなどの「仕組み」に原因があるのではないかと疑ってみる必要があるのです。
これらのリソースの配分やメンバーのスキル、仕組みの不備に関する検証を行えるのは、チーム全体を俯瞰できるマネジャーだけです。
よく「仕組みのキーエンス」と言われます。これは、キーエンスが数値化によって、「仕組み」の改善まで行っていることを示しているためです。つまり、数値化によって明らかになった問題を一時的な改善だけに活用するのではなく、構造上の改善にまで活用しているのです。これこそが、チームの数値化が目指すところです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら