キーエンスは「仕組み」ですべての課題を改善する チームのプロセスを数値化してマネジメント

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そこでなぜ求人サイト経由の応募者が書類選考に進めないのかを確認すると、実は求人サイト経由の応募者には希望している条件に当てはまらない応募者が多かったため、書類選考に進めるまでもないと判断していたことがわかったとします。

となると、この場合はそもそも条件に合った応募者が集まりやすい媒体を選んでいないか、求人サイトに掲載した応募要項の内容に不備があることが考えられます。

つまり、「応募」から「書類選考」への転換率が低くなってしまった原因は採用担当メンバーのスキルやリソース配分に問題があったのではなく、応募の「仕組み」に問題があったことになります。

そこでもう一つの可能性として、各メンバーの「書類選考」への転換率を確認したところ、4人のメンバーのうち2人の「書類選考」への転換率が極端に低いことがわかったとします。

この場合は2人の選考スキルが著しく低いのでしょうか。

採用に関する疑義も、まずは「仕組み」を見つめなおす

しかし人材採用においてはスキルの問題だとは考えにくいのです。つまり、2人のメンバーの審査基準が厳しすぎるのだと考えられます。すると問題は個人のスキルではなく、審査基準の曖昧さであると考えられます。

どのような応募者を書類審査に進めるのかについての条件が、メンバーによって異なった解釈ができてしまったわけです。

この場合の改善策は、審査条件を見直して、誰が審査しても同じレベルの人材を書類選考に進められるようにより明確な審査条件を規定することです。つまり、ここでも「仕組み」に問題があったわけです。

例えば「電話」から「アポ」への転換率が低いチームの「行動の質」を改善するためには、最初は特に転換率が低いメンバーのトークスクリプトに問題があるとして再教育が必要だと結論付けるのは、一つの戦略です。つまり、チームの「行動の質」が下がったのはメンバー個人のスキルに問題があることが原因だと判断するのです。

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