また、対策というからには実効性が求められます。しかし、そもそも東京などの大都市と地方とでは課題自体が違うのに、それを全国一律でとらえることに無理があります。
誤解のないようにお伝えしておくと、子育て支援を否定しませんし、それはそれとしてやるべきことですが、都道府県単位でみれば、出生の多いところと少ないところがあるように、子育て支援が充実しているエリアとそうでないエリアの格差も存在します。
同様に、結婚の多いエリアと少ないエリアという結婚格差も存在します。当たり前ですが、都道府県ごとに注力すべき課題は異なるのです。
都道府県ごとに課題は異なる
今回は、都道府県別の実態に即した15~49歳での婚姻率と出生率という指標を使って、それぞれどこに課題があるのかを明らかにしていきたいと思います。
まず、一般に婚姻率といわれているものは、婚姻数を全人口で割ったものですが、これは全人口であるため高齢者が多いエリアは低くなってしまい、実態とは乖離しがちです。よって、新たな婚姻が発生しないだろうという生涯未婚率の考えに基づき、15~49歳の人口を分母とした婚姻率で比較します。
また、出生率に関しても、よく使われる合計特殊出生率は適当ではありません。15~49歳の全女性を分母とした合計特殊出生率では、未婚人口の多いエリアほど低くなりがちで、これも実態を正確に示さないので、15~49歳の有配偶女性だけを分母として計算し直したものを使用します。
両方とも2020年のデータを元にし、婚姻率も出生率も同次元で比較するために両者とも全国平均比で見ます。
それらの都道府県ランキングを示したのが以下の表になります。
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