ところが、この方法よりもっと早くできる方法があります。
それが「深部(通気攪拌)発酵」と呼ばれる方法です。
これはお酒を入れたタンクの下部に空気を入れて攪拌することで、強制的に「酢酸菌」の活動を促すのです。
この方法だと、わずか1週間でお酢の出来上がり。もちろん大量生産できるので安く上がります。
さらに「コストダウン」するために…
お酢の主な成分は「酢酸」ですが、「グルコン酸」「クエン酸」などの有機酸なども含まれています。
これらすべての酸を「酢酸」に換算し、お酢に含まれる酸の割合を表したものを「酸度」といいます。
「伝統的なつくり方」でつくったお酢の酸度は4~5%ですが、「深部発酵」でつくれば酸度は10~15%になります(強制的な発酵=アルコールを酸化させて酢酸をつくるため酸度が上がる)。
これを薄めて商品にすればいいのでさらにコストダウンが可能です。
この「深部発酵」で短時間でつくったお酢は、どうしても「ツンとしたお酢」になりやすいのです。
時間をかけて熟成させた「お酢のまろやかさ」は出せません。
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