仲良しの家族が「介護地獄」に陥りやすいワケ 待ち受ける「自滅型介護」から身を守る方法
そもそも介護において完璧な状態なんてないと思いませんか?
また、常に今日と明日が同じとも限りません。昨日は気持ちよく出かけたけれど、今日は足の調子が悪そう。
昨日は食欲がなかったけど、今日はデザートまで完食した。というように、介護される側の体や心の状態は一定ではなく、日々揺れ動くもの。それぞれの状態や変化に応じて、どう介助すればいいのか、どんな食事を用意すればいいかという対処も違ってきます。
介護に完璧はありえない
こうすれば完璧という答えがあるわけではありません。
それにもかかわらず、完璧にやろうとすると、むしろできないと感じることのほうが多く、「介護者として完璧じゃない自分」という思いが際立ってしまい、自分1人で悩み、つらくなってしまうばかりです。
何事も完璧にこなすことなど、できるものではありません。やれることをやればいいのです。できないことばかりに目を向けるのではなく、ちょっとしたことでもできたことを喜び、自分を褒めてあげましょう。
そして、自分にできないことがあれば、周囲に頼ればいいのです。そう考えれば、気持ちがすっとラクになるのではないでしょうか。
完璧主義な人ともう1つ、家族への思いやりが強い人も危険です。
思いやりが行きすぎてしまうと、どうなるのでしょうか。
あれも、これも自分ですることによって疲れてしまい、「私がこれだけ大変な思いをしているのに、この人は何もしてくれない」という思いにとらわれてしまうのも、仕方のないことです。
そんな疲れ切った介護をされていると、介護される側も「『ありがとう』と感謝しているのに、その思いが伝わっていない」と感じるようになってしまう。そんな思いのすれ違いの中で、互いが見返りを求めてしまい「自分は相手をこんなに思いやっているのに」という、いわば「思いやりの一方通行」になっている例を数え切れないほど見てきました。思いやりの一方通行を進んだ先に待っているのは、「苦しみの袋小路」です。
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