教育の弊害?日本人が圧倒的に苦手な「質問力」 これは「コミュ力不足」ではない。スキルの問題

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授業というのは前もって階層的に組み立てられています。そのため、その情報が20分前に話された情報と関連しているということが大いにありえます。そうしたつながりをとらえ損ねてしまうと、その情報の多層的な意味合いをとらえることができません。

トピックが変わる瞬間がチャンス

教師は1つのトピックについてひと通り説明し終わったら、「ここまでで質問はありますか?」と質問の時間をつくるものです。また、教師が自分のノートを見たり、ちょっと黙って考えていたりする場合も、次のトピックへ移る合図と考えてよいかもしれません。1つのトピックを終えて、次のトピックを確認していると考えてよいでしょう。

いいタイミングは、教師が新しいトピックへ移ろうとしているとき。質問はないかと教師が尋ねたら、「先生が今言ったことを理解できているだろうか」と考えるだけでなく、「先生が今言ったことが、今日の全体的なテーマ(問い)とどうつながるか理解できているだろうか」と自問するのです。理解できていると言い切れない場合は、先生に質問しましょう。

質問の時間は授業を理解できているかを確認するよいタイミングです。「質問はありますか?」というのは「理解できていますか?」という意味です。

「質問しなさい」と言われると、「それができればね……」と思う人もいるでしょう。その理由としてよく挙がるのが、①「迷惑をかけたくない」、②「頭が悪いと思われたくない」、③「恥ずかしい」というものです。「迷惑をかけたくない」というのはいい心がけです。

教師はよく「どんな質問でも歓迎します!」と言うのですが、本心でそう言っているわけではありません。迷惑な質問は歓迎しませんし、一部に面倒な質問があるのも事実です。

次のように授業の内容と関係がなく、自分の知識をひけらかすための質問は迷惑だと思われるでしょう。

「先生、19世紀のヨーロッパの歴史について先生のおっしゃったことは、ツパイ(リスに似た、東南アジアに生息する哺乳類)の身体構造と関連していませんか? ちなみに僕は今、ツパイについての本を読んでいるんですけどね……」

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