発作時に呼吸困難で酸素が取り込めず、命に関わることもゼロではない。治療薬などの進歩によってぜん息が原因で死亡する人は、1980年代と比べて6分の1にまで減少したが、依然として年間1000人ほどはぜん息で命を落としている(厚生労働省人口動態統計)。
ぜん息は、気道に慢性的に炎症が生じていることが本質的な特徴。慢性炎症が長年続くと、気道の壁が分厚くなり徐々に狭くなっていく。発作時はさらに気道は狭くなって、より呼吸が困難になり、咳も強まる。
なお、発作のきっかけには、ほこりや花粉といったアレルギー原因物質(アレルゲン)のほか、ウイルス感染、気温の変化、精神的ストレス、タバコの煙、大気汚染、強い香り、アスピリンなどの薬物、運動、月経など、さまざまなものが挙げられる。
「子どもの病気」とは限らない
ぜん息は子どもばかりでなく、成人の患者も多い。高齢者や、女性では30~40代に増えることが、複数の調査で明らかになっている。
「ぜん息を『小児発症』と『成人発症』に分類した場合、成人発症例に際立った特徴はないと思われます。ただし、妊娠・出産を契機に、あるいは肥満がもとで発症することはあります」(權医師)。
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