さしたる出来事もないのにある日突然痛みが出て、数カ月から年単位の間、肩が動かしにくくなる五十肩。日常生活でもかなりの不便を強いられる病気だけに、できるだけ早く痛みを取り除き、動かせるようにしたい。
そのためにはどうしたらいいか。肩関節のスペシャリストである東京スポーツ&整形外科クリニック院長の菅谷啓之医師に話を聞いた。
肩関節は、人の体の中でもっとも大きく動かせる関節だ。
五十肩は、この肩関節の周辺に炎症が起こって痛みが生じ、動かしにくくなってしまう症状のこと。発症するのは片側が多いが、利き腕がなるとは限らない。40~50代で発症する人が多いことから、五十肩(もしくは四十肩)という俗称が使われている。男女比は1:2で女性に多いそうだ。
「もちろん30代でも60代でも五十肩になります。最近は発症する年齢の幅が広くなったように感じています」(菅谷医師)
五十肩の原因は「なにもない?」
そもそも五十肩はなぜ起こるのか。「実は、発症のきっかけがはっきりと特定できないことが多い」と菅谷医師。そしてこう続ける。
「逆に言うと、本人が気づかないような、日常のふとした動作がきっかけで起こるのが五十肩で、ぶつけた、転んだなど、明らかなケガで起こるものは五十肩とはいいません。また、病気によって引き起こされたものや、骨の変形によるものも違います」
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